徐々に雪が溶けはじめ、屋外走行への期待が高まるこの季節。
しかしローラー台で使用したホイールは意外とダメージを負いがち…今回はそんなホイールのメンテナンスについてのご案内です。
最近はZWIFTを楽しむ為にダイレクト式のローラー台を利用されている方が多い印象ですが、タイヤドライブ式や3本ローラーをお使いの方もまだまだ多くいらっしゃいます。
そういったローラー台での使用で気になるのが汗…
表面上は何も問題が無さそうでも、実は内部に大きなダメージが発生していることがあります。
よくあるのがフリーボディ周辺のトラブル。スプロケットを装着するフリーボディは車輪の空転時に僅かな隙間から汗が内部に入り込み、サビが発生することも…
今回お客様からお預かりしたホイールも、フリーボディのベアリングにサビが発生していました。
分解してみたところ、グリスは枯渇&劣化気味で、ラチェット部分までサビが回ってしまっていました。
場合によってはフリーボディ内部のベアリングや、ハブ側のベアリングがゴリゴリに傷んでしまっている事もありますが、幸い今回はベアリング類に問題はありませんでした。
こういった状態で使用を続けると、ラチェット自体の摩耗も早まります。
摩耗度合が激しいと、立ち漕ぎでトルクをかけた時などにラチェットが嚙み合わず、空転してしまう可能性もあり危険です。
今回のハブはENVEの製品(ラチェット構造はMAVICのID360)ですが、ラチェットを交換するとなると部品代だけで1万円越え…
定期的にメンテナンスを行うことが、ホイールが本来持つポテンシャルを引き出すことに繋がるだけでなく、安全性を保つ為にも重要です。
今回はコストを抑えるためにできるだけサビを落としてラチェットを再利用。
一度サビが発生してしまうと、どんなに表面を綺麗にしても痛んだ部分からまた錆が発生しやすくなってしまう為、予算内に収まっていれば部品を交換してあげた方がベターです。
再組付け時には各ハブメーカーが出している純正グリスを塗布します。
社外品のグリスを使うと、ラチェットの摩耗が早くなったりトラブルの原因となりますので、絶対に純正品を使いましょう。(社外品のケミカルを使用しているとメーカーの保証対象外となってしまいます)
MAVICのラチェット用のグリスを塗布し再組付け。
これでしばらくは安心してお乗りいただけるかと思います。
メーカーによってメンテナンス頻度は異なりますが、今回のENVE/MAVIC系のハブは走行1000km毎のメンテナンスをメーカーが推奨しています。
DT SWISSなどもそうですが、シンプルで分解しやすいハブほど、メンテナンス頻度は高めに設定されていることが多いです。
性能を引き出すためにも、安全の為にも、皆様からの定期的なメンテナンスのお持ち込みをお待ちしております。
また、回転部分以外にも気をつけていただきたいのがリムに組み付けられたリムテープ。
クリンチャーでも、チューブレスでも、テープが劣化してくるとパンクの原因となります。
特にチューブレスでは空気の気密性を保つために重要な部品ですので「タイヤの脱着数回毎にテープを交換。」くらいの頻度で交換するのがオススメです。(パンク等が無く、脱着しなかった場合でも年に一度は交換しましょう)
対処が遅れれば遅れるほど、交換が必要な部品が増えてしまう可能性がありますので愛車は定期的にチェックしましょう。
シーズンイン前に、是非一度メンテナンスを!
ご相談お待ちしております。
ノースバイシクル北海道 (スタッフ木村)