GIANTの販売店向け試乗会に当店のメカニックスタッフが参加してきました!
今回メーカーにご用意いただいたのはGIANTのエアロロードバイク”PROPEL”シリーズとオールラウンドバイク”TCR”シリーズ。
そんなラインナップから、スタッフ木村はエアロロード”PROPEL”を中心に試乗してきたのでご紹介させていただきます。
トップバッターは泣く子も黙るGIANTのフラッグシップバイク ”PROPEL ADVANCED SL 0”
フレーム・フォーク共にGINATの誇るADVANCED SLカーボンで作られています。
カタログに記載されていたこのカラーに一目惚れし注文しようと思ったものの、入荷数が少なく入手できなかった一台。
このカラーは職人達が手作業でペイントを行っている為、一台一台微妙に模様が異なるそうです。
フラッグシップ機だけあって、ハンドル・ステム共にカーボン製。
圧倒的な剛性感と軽量性を演出します。
ADVANCED SLグレードはISP方式を採用しており、サドル高の調整代に制限がございますが、その分下位グレードでは再現できないフレーム重量の軽量化と、バイクの振りの軽さを実現しています。
ライドフィーリングは極上。
小林峠や幌見峠に囲まれたアップダウンの多いエリアで試乗しましたが、立ち漕ぎでトルクをかけても、シッティングでケイデンスを上げてもパワー全てが推進力に変換されていくかのような感覚を覚えます。
まるでディーゼルエンジンのように低速から一気にトルクが立ち上がるかのような独特の感覚でした。
ただプロ選手が使っているグレードということもあり、全体的に車体の剛性感は高め。
より速く、1秒を切り詰めて走りたい、そんなコンペティティブなライダーには迷わずADVANCED SLグレードをオススメいたします。
続いてはセカンドグレードとなる”PROPEL ADVANCED PRO 0 AXS”
ブラックカラントというカラーでぱっと見は真っ黒ですが、太陽光の下だとパープルのような色味になります。
(ちなみにブラックカラントとはカシスオレンジなどで有名なカシスの事です)
こちらグレードはは”ADVANCED SLカーボンのフォーク×ADVANCEDカーボンのフレーム”を採用した中間的な仕様。
上位モデル譲りの軽量で安定感のあるフロントエンドと、サンデーライダーでも扱いやすい剛性感のフレームで多くのライダーが乗りやすいと答えるであろうモデル。
上位モデルとの違いはステム。
アルミ製のものに変更されていますが、ハンドルバーは上位モデルと同じカーボン製です。
マイルドな剛性感に調整されたADVANCEDフレームはポジションの定まらない初心者でも扱いやすい一般的なシートポスト方式を採用。
ISP方式と比べ重量は増加してしまいますが、サドルやペダルの交換・フィッティングなどでサドルの高さが変わっても柔軟に変更できるというメリットがあります。
ADVANCED SLとの比較ですが乗り心地の良さや安定感はこちらの方が上。
ただし軽快さという点ではADVANCED SLに軍配が上がります。
軽量バイクに特有のピーキーさも無いので初めての方でも乗りやすいフィーリングに仕上がっています。
最後はPROPELシリーズの末弟”PROPEL ADVANCED 2”
フレームもフォークもADVANCEDカーボンとなり、上位グレードよりも重量は増えていますが、同等の剛性感と空力性能を手の届く価格で実現しています。
ADVANCED 2では上位モデル譲りの高性能バイクを廉価に提供する為、ハンドル・ステム・ホイールはアルミ製の物を採用しています。
フレーム自体はADVANCED PROグレードと同じくADVANCEDカーボン製。
ADVANCED SLのような剛性の塊、という感覚は無く扱いやすいフィーリングで万人受けする乗り味です。
試乗した感想としては漕ぎ出しの軽さは上位グレードには及びませんが、フレームの素性の良さを感じるスムーズな加速感。
標準付属のホイールがハイトの高いアルミ製ということでそこがネガティブなポイントになってしまっていますが、逆に言えばここをアップグレードするだけで上位グレードに匹敵するようなバイクへと仕上げることが出来ます。
軽量なローハイトホイールに履き替えて登坂性能を強化するも良し、カーボンディープに履き替えて空力性能と反応性も追及するも良し。
様々な方向性へとカスタマイズできるのがPROPEL ADVANCED 2の魅力です。
前作と比べて大幅な軽量化が図られた新型PROPEL。
TCRと立ち位置が被っているのでは?と思われる方も多いと思いますが実際に試乗してみると設計思想は別物。
PROPELはあくまでも”登りもこなせるエアロロード”であって、レースシーンやファストラン等高速域での安定感や加速性を重視しており、軽快なクライミング性や低速域での扱いやすさという点ではTCRに軍配が上がります。
とはいえGiro d’Italia 2023でGIANTを駆るTeam Jayco AlUla所属のMicheal Matthews選手が勝利を挙げたように、PROPELは平地・山岳を問わず活躍できるバイクです。
より楽に、より軽快に、サイクリングを楽しみたいのであればTCR。
平地から緩斜面までパワフルで疾走感のあるライドを望むのであればPROPEL。
どちらが優れている、というよりも求めるライドに合わせて選択していただくと良いのではないでしょうか。
今回はCADEXの新型ホイール50ULTRAをはじめ、GIANT SLRホイールや完成車付属のアルミホイール等様々なグレードを差し替えて体感でき、車体だけでなくホイールに関しても性能差を感じることが出来ました。
特に新型の50ULTRAは今までのCADEXホイール(36,42,65)に採用されていたものよりもエアロ形状になったスポークになっており、その影響か加速性・順行性共に明らかに進化していると感じました。
50mmハイトとは思えない軽さと横風への強さ…レーシングホイールとしては文句のつけようがありません…欲しい…
正直海外の価格設定からすると日本国内の税込385,000円というのはかなりお買い得だと思います。高いけど…
当店の全メカニックスタッフがTCR/PROPELに乗ってきましたので、もし知りたい事があればスタッフに聞いてみてくださいね(*‘ω‘ *)
よく聞かれる質問としては「私の身長だとサイズはどれを選べば良いですか?」というのがあります。
例えばスタッフ木村の身長は170cm、PROPELのメーカー推奨値はSサイズ(165~175cm)となりますが、シートアングルやフレームスタック値の関係でXSサイズの方が体に合っているな、と感じました。
初めてのロードバイクならばメーカーの推奨から選ぶのがベターだと思いますが、乗り換え・増車の場合にはお手持ちのバイクのサイズ感を元に「どういったポジションにしたいのか」という違う視点からサイズを決めることが出来ます。
当然レース志向なのか、ロングライド志向なのか、など乗り方によってもサイズ選びのファクターは変わりますので悩んだらまずはお気軽にご相談ください。
今回の試乗会とは全く関係ないのですが、試乗会会場へはGIANTのROAD E+という電動アシストロードバイクを用い、自走で向かいました。
アシストをONにすると小林峠や幌見峠などの坂道でもスイスイと登っていきます。
脚力差のある方と一緒にサイクリングをされる場合には非常にいい選択肢だなと改めて感じました。
レンタルサイクルの車種としてこちらの車体も用意しておりますので、ご家族や友人とのサイクリングの際には是非当店のレンタルサイクルもご利用いただければ幸いです。
以上、試乗会のレポートでした。
ノースバイシクル北海道 (スタッフ木村)