近年サドル界でシェアを伸ばしつつある3Dプリントのパッドを採用したサドル。
そんな3Dプリントサドル界で圧倒的なラインナップ数を誇るFIZIKの旗艦モデル、ADAPTIVEシリーズをご紹介します。
高価ではありますが、圧倒的な快適性でシェアを伸ばしている3Dプリントサドル。
通常のサドルと比べて何が優れているかというと…
・部位毎にパッドの硬さを自由に変えられる
・通気性がよく蒸れにくい
・軽さとクッション性を両立できる
といった点が挙げられます。
そんな3Dプリントサドルを1か月ほどお借りしたので、今回はロングタームインプレッションをお送りします!
今回お借りしたのはトライアスロンやタイムトライアルに合わせて設計された「TRANSIRO AERIS SD/LD」
競技の距離に応じ、TTやトラック競技など短距離向けのSD(Short Distance)とアイアンマンなど長距離向けのLD(Long Distance)の2種類が用意されています。
普段FIZIK VENTO ARGO、GIANT FLEET、PROLOGO SCRATCH M5、SelleItalia SLR BOOSTといったショートノーズのサドルを多く使用しているため、形状が似ているショートノーズのAERISをお借りしました。
AERIS SDは短距離のTTやトライアスロン向け。
ノーマルモデルは溝+穴があり、以前ラインナップされていたOpenシリーズのような感じですが…
3Dプリントパッド採用のこのモデルは表面上は溝も穴もなし。
パっと見では短くなったARIONEのよう。
ベース自体はノーマルモデルも3Dプリントモデルも共通。中央に穴が開いています。
ですがあまり撓まず、パワーをしっかりと受け止めてくれます。
どうやって表面の溝や穴無しで快適性を実現しているのか?
というと、上記の通り、各部位によって3Dプリントの積層を変え、パッドの硬さを調整することで快適性を保っています。
ノーマルモデルで溝・穴になっている辺りは、ADAPTIVEでは柔らかめのパッドとなっており、溝・穴をつけたのと同じような圧迫感の少ない着座感を実現しています。
AERIS LDは長距離トライアスロン向けで、サドル先端が分かれたスプリットノーズデザインが特徴。
こちらはノーマルモデルと外見は似ていて、そのままパッドを3Dプリントに置き換えたような感じ。
こちらもベースはノーマル・3D共通。
AERIS LDの場合はスプリットノーズでベースがカットアウトされている分、不要な撓みが発生しないようにするためか、リブによる補強が入っていました。
というわけで実際に使ってみました!
AERIS SDはお尻が綺麗に収まるポイントがほぼ1点のみで、ポジション調整がシビア。
AERIS LDはSDよりは前後に着座位置をずらしても乗ることができる感じでした。
どちらもショートノーズサドルの宿命ではありますが、スイートスポットは狭く「乗車中にお尻のポジションをずらす」ARIONE的な乗り方よりも「お尻の位置を1点で固定する」ALIANTE的な乗り方が適しているサドルです。
また3Dプリントサドル全般の特徴ですが、表面のグリップ性が高いため、着座位置を走りながらずらすのは結構難しいです。(パンツが引っかかるような、独特の摩擦感があります)
個人的にはAERIS SDの方がお尻にフィットしたため、そらちグルメフォンドでAERIS SDを使用してみました。
結論から言うと、80km走っても全く問題なし。
痛み等も全くなく、快適に走ることができました。
ただしポジションの調整はやっぱりシビア。
今まで使っていたサドルとほぼ同じ位置に装着したのですが、サドルが求めてくる着座位置はかなり前気味だったため、「大腿四頭筋を余計に使わされている」感覚を覚えながら走りました。
(エイドに寄る度「次のエイドで直そう…」と思っていたのに結局最後まで直すのを忘れて走り切っちゃいました(笑) ポジション合ってなくても余裕で走り切れちゃうくらい快適性は抜群です。)
モエレTTでもAERIS SDを使用しましたが、コンセプト通りの「短時間・高強度」なイベントにはピッタリで、お尻をしっかりホールドしつつ力を効率よくペダルに加えることができました。
というわけでまだ国内でもユーザーの少ない、AERIS SD/LD ADAPTIVEの簡易インプレッションでした。
現在、店頭にてFIZIKの3Dプリントサドル”ADAPTIVE”シリーズを試せるキャンペーンを行っております。
ANTARES/ALIANTE/ARGO/AERISと一通り揃っていますので、気になるサドルがあれば是非この機会に、皆様の愛車に装着してお試しください!
ノースバイシクル北海道 スタッフ木村