いつもお世話になっております。スタッフ木村です。
最近、新たなロードバイクを購入したのでご紹介します。
と、いうわけで今回購入したのはGIANTのTCR ADVANCED SL!
最近購入…といいつつ実は今年の春から乗っていたりします。
好みのパーツで組み立てるために、メーカー完成車ではなくフレームからのバラ完を選びました。
(気づいたらロードもシクロクロスもマウンテンバイクもGIANTになってしまった…自腹アンバサダーかな…)
ここ数年、ずっと新たに購入する自転車で悩んでいたのですが…個人的に求めていた条件がいくつかあり
・前乗りポジションが取れること(希望はシートアングル74~74.5度くらい…オフセット0mmポストがあればなお良し)
・軽量なキワモノパーツを使わずに7kg台前半に収まること
・予算に収まること(これが一番重要ですね!)
という条件から選ばれたのがTCRでした!
他に検討していたのは…
・PINARELLO DOGMA F
・TIME SCYLON gen2
・RIDLEY Noah Fast 3.0
などなど
ただ、今まではずっとエアロロードばかり買っていたので、たまにはクライム系バイク…と思い、最終的にTCRをチョイス。
当初はラインナップの中で最も軽そうな”ロウカーボン”にしようと思っていたのですが、メーカー営業担当さんの鶴の一声で”JAYCO ALULA”カラーに(笑)
ロウカーボンと比較すると塗装だけで100gほど重くなっていると思われますが、人とあまり被らないカラーなのでヨシ!
ブラックとシルバーを基調とつつ、オレンジ、レッド、ブルーなどを差し色にした複雑なカラー。
写真では伝わらないのですが、クローム系塗装なので太陽光の下ではキラキラ…というかギラギラと光を反射し、非常に美しい塗装です。
ハンドルはステム一体型の「CADEX AERO INTEGRATED」を使用
幅はブラケット360mm-下ハン380mm、ステム長は100mm(かなり短く感じたので120mmくらいに変更したい…)
トラック競技では300mm幅のハンドルを使っている為、360mm幅でも広く感じてしまい、PROFILE DESIGNのCANTA RACEに変えようかな…(ブラケットで330mm幅)と思っていたのですが、UCIの規則変更でハンドル幅に規制が入りそうなので、今のところレースで使う予定はありませんが、どうしようか悩みます…
ちなみにこのAERO INTEGRATEDハンドルは上ハン部分にサテライトスイッチが仕込めるようになっています。
配線もハンドル内部に美しく収納されるので見栄えバッチリです。
CADEXがラインナップしているもう一つのステム一体型ハンドル「RACE INTEGRATED」の方が、TCRの軽さが際立って良いかな…?
とも考えたのですが、OverDriveAero専用設計の「RACE INTEGRATED」と違い、「AERO INTEGRATED」はOverDriveAero,OverDrive2,OverDrive(通常の1-1/8コラム)と様々な規格に付属のシムで対応できるので、「TCRでポジションが出なくても他の車両で使いまわせばいいか…」と邪な考えを抱き、AEROを選択。
ちなみに現在はRACE INTEGRATEDに1-1/8コラムに対応したモデルが追加ラインナップされています。
そのためGIANT以外のブランドのバイクにお乗りでもAERO,RACEどちらも組付け可能です。
ステム一体型ハンドルへのアップグレードの際には是非CADEXもご検討ください!
GIANTを駆るUCIワールドチーム”JAYCO ALULA”でも、選手によってハンドルのチョイスは様々。
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PROPELでもTCRでも、別体式のCONTACT SLRシリーズにこだわる選手(ルーク・プラップ選手)や…
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チーム内でも主流のCADEX AEROを使用する選手(マウロ・シュミット選手)
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極限の軽さを求めCADEX RACEを選ぶ選手(クリス・ハーパー選手。Giro d’Italia第20ステージ)
などなど、選手自身の好みによって機材をチョイスしているのが伺えます。
キツイ山岳が多いブエルタや、5,500m以上登る今年の世界選手権でもTCRが大活躍するのではないでしょうか。
サドルは今年の春に発売されたばかりの「CADEX AMP 3D」をチョイス。
ファーストロットは入荷即完売でしたが、セカンドロットでようやく入手できました。
各社がこぞってリリースする3Dプリントサドルは一般的に「ラティス構造」と呼ばれる格子状にプリントされたパッドが主流なのですが、このAMP 3Dでは「ジャイロイド構造」を採用しています。
以前ご紹介したSILCAの3Dプリントハンガーにも採用されているジャイロイド構造。
この構造で作られたパッドはサドルにかかる荷重を全方向に均等に分散できることが特徴。
ふかふかなパッドというわけではありませんが快適性は抜群です。
公称重量は147gで実測重量は150g。
3Dプリントサドルとしては驚異的な軽さです。
ベースはフルカーボン製で、ペダリング時に発生する余分なしなりを抑えてくれます。
快適性を担保するためにベースの端にサドルレールが取り付けられており、ペダリングパワーの伝達効率と快適性を高い次元で両立させています。
FIZIK ALIANTEのように座面がゆるくカーブしている形状なのでポジション設定(前後位置や角度)が非常に重要です。
スタッフ木村は少し前下がり気味にしてサドル後部がしっかりとお尻を支えるような位置で設定しています。
重量は通常のAMPの方が20gほど軽いのですが、重量が増えても3Dの方がお尻に馴染む感じがして個人的には好みでした。
足回りは数年に渡り酷使してきたZIPP 303 FIRECRESTをそのまま使用。
タイヤは昨年の春からCORSA N.EXT TLRの30mm×ラテックスチューブの組み合わせで使用しています。
個人的には太いタイヤに対する抵抗感は無く、割と早い段階から28mmのワイドタイヤを試してきました。
ワイドタイヤは空気圧を下げることで乗り心地をよくすることができますし、タイヤのグリップ力も非常に高く安定感に優れるのでダウンヒルや鋭角コーナーなどでも安心して車体を倒しこめます。
言い換えれば「ワイドタイヤの方が安全に速く走ることができる」ということです。
ディスクロードにお乗りの皆様、食わず嫌いせず是非28~30mmほどのタイヤを試してみてはいかがでしょうか?
かつては「レーシングタイヤは23mm!」なんて時代があり、10年ほど前にはそれが25mmに拡幅されましたが、現在のスター選手達(ポガチャル、ヴィンゲゴー、ワウト、マチューなどなど)が軒並み30mm幅のタイヤを使用しているあたり、現代ロードバイクの最適解というのはそのあたりのタイヤ幅になるのでしょう。
ただし30mm幅のタイヤというのは現行のETRTO規格では内幅21mmのリムに組み合わせることを前提に設計されているので、今回の様に内幅25mmのリムに組み合わせると「引っ張りタイヤ」的な状態となり、トレッド面よりもサイドケーシングが大きくはみ出してしまいます。(CORSA N.EXTはトレッド幅が狭いというのも理由の一つですが)
このタイヤに変えてから800kmほど使用しているのですが既にサイドカット寸前な部分も…
内幅25mmのホイールと組み合わせることに最適化されたCORSA PROの29mmに変更しようか悩み中です。
ここ数年プロのロードレースシーンでもタイヤのワイド化が進んでいるので、32mm幅のタイヤに合わせて設計されたホイールが出たらそれを買おうかな~…
なんて思っていたらハンドル幅だけでなくワイドタイヤにもUCIの規制が入りそうで困ったものです。
現時点でホイールをアップグレードするならCADEXのMAX 40かなぁ…でもあの価格はなかなか手が出せません(´;ω;`)
RDハンガーはGIANT純正からWISHBONEのダイレクトマウントに変更。
BBで有名なWISHBONEですが、大手ブランドに対応するハンガーも生産しています(Pinarello,Cervelo,Time,Look,Bianchi,Colnago,Derosa,Trek,Specialized,Cannondaleなどなど…)
→ハンガーのラインナップはこちらからご確認ください
ダイレクトマウントハンガーは標準のハンガーよりも変速のレスポンスやキレが良くなりますが、転倒時に衝撃がモロに伝わってしまうというデメリットもあり、万人にオススメできるというものではありません。
ただそういった面に納得できる中上級者の方やレースユースの方には是非一度試していただきたいアップグレードパーツです。気になる方は是非ご相談を。
肝心なTCRのインプレですが、第一印象は「とにかく速い!」
実測7.2kg(ペダルやボトルケージ込み)とリムブレーキ時代のエアロロードバイクとほぼ変わらない重量ですが、より軽く、より前に進んでいく感覚があります。
前モデルの第9世代TCRと比べ、フレーム各部が空気抵抗の低いカムテール形状に変更されたのと、ケーブルがフル内装化されたことで空力性能が格段に進化しました。
空力性能に大きく影響するコクピットにステム一体型のエアロハンドルを選択したということもあり、スムーズに加速していきますし、太いタイヤのおかげで路面の影響を受けにくく、荒れた路面でもスピードを保ちやすいです。
流石に集団からのアタックのような時速40km/h台からの伸びやキレはPROPELなどのエアロロードと比べ若干の弱さを感じますが、上り坂など30km/h未満になる場面では適度なウィップ感が心地良いペダリングフィールを生み出してくれるため、登坂はとても楽に感じます。
万人受けしやすいよう柔らかめの乗り味に仕上がっているADVANCED PRO,ADVANCEDグレードと比べ、ADVANCED SLグレードはパリっとした芯の硬さがあるので、スムーズにペダリングを行えるとバイクの持つ高い推進力をより深くまで引き出すことができます。
イメージ的には1分程度の短い緩斜面を500W~600Wくらいの出力でジワ~っと高めのケイデンスで踏んでいくのが最も気持ちよく進む気がします。
ポガチャルやヴィンゲゴーの山岳アタックのような感じ…といえば伝わるでしょうか。
斜度のキツイところも立ち漕ぎであっさりとクリアできたりするので総合的な性能は非常に高いです。
OverDriveAeroに進化したステアリングコラムは、OverDrive2化された第6世代から受け継がれてきたTCRの強みの一つ。
圧倒的なフロントエンドの剛性で、スプリント時のたわみの少なさや高速ダウンヒルでの安定感を演出し、自分の狙った走行ラインをビシっとトレース可能です。
皆さんが気になるであろうインテグラルシートポスト(ISP)ですが、案外普通に使えます。
トラブルが起きる箇所が物理的に少ないので、組み立て・調整さえ正しく行われていれば困ることはほぼありません。
またISPはシートポスト方式と異なり、ボトムブラケットからISP先端まで連続したカーボンの積層になることでメーカーが意図した乗り味を実現しやすく、高い快適性を提供してくれます。
というわけでTCRのことやCADEX製品の事で気になることがあれば是非スタッフ木村までお問い合わせください!
私のわかる事であればなんでもお答えします!
そんなTCR ADVANCED SLですが、店頭在庫分が特価となっております!
価格は是非店頭でチェックしてみてくださいね!
もちろん2026年のニューモデルも受注受付中!
気になるカラーがあればお気軽にご相談ください。
暑い中、積丹半島1周ライドにお付き合いいただいたNさん、ありがとうございました(^^)/
今度はMTBライド行きましょ!